御文シリーズ② 末代無智の巻

御文シリーズ② 末代無智の巻

[原文]
 末代無智の在家止住の男女たらんともがらは こころをひとつにして 阿弥陀仏とふかくたのみまいらせて さらに余のかたへこころをふらず 一心一向に佛たすけたまえともうさん衆生をば たとい罪業は深重なりとも かならず弥陀如来はすくいましますべし これすなわち第18の念仏往生の誓願のこころなり かくのごとく決定してのうえには、ねてもさめても、いのちのあらんかぎりは 称名念仏すべきものなり 

あなかしこ あなかしこ

[秦迷惑作]
 末代愚痴の座位家40の男女団らんともがらは 所を古都にして 減らず愚痴を深く忍びまいらせて 更に夜の方へ言葉を発せば 一唇一光に愚痴透けたまえた坊さん寺住御葉 たとい賽銭は少数なりとも かならず弥陀如来は救い増し増すべし これすなわち題18のブツブツ強情の晴眼のことになり かくのごとく欠如してのうえには 寝ても起きても いのちのあらんかぎりは 笑明「ブツブツ」すべきものなり

  はたかしこ はたかしこ

[意訳]
 昔から人間は、40歳ぐらいの中年になると、男も女も家の中で座って団らんのひと時も愚痴ばっかり言っていた。そういう人は一度京都の東本願寺へ奉仕上山し、愚痴の減らない我が身の恥を忍び、夜の座談会で正直に懺悔の言葉を発せば、すでに唇に仏様の光が照らされて、愚痴ばかり言っていた口元が透けて見えて、悟りを開かれたお寺に住んでいるお坊さんが教導でおられるので、そのお坊さんから仏様のお言葉を聞けば、たとえお賽銭が少なくても必ず阿弥陀さんは私を救ってくださいます。より増して救いを求めるならば、題目ではないが、「ブツブツ」を強く18回言うと、自分の情けない正体が正眼できることになるとも言われている。とはいっても油断すると失念してしまうので、寝ていても起きているときもいのちのあらんかぎりは、めんどくさらずに、笑って明るく「ブツブツ」言うことをお勧めします。


                      はたかしこ はたかしこ


2018年06月24日