「組同朋大会」

 忙しさに追われ、気が付けば早、梅雨の季節になりました。月日の経つのが一段と早くなり、何に忙しかったのもわからず、今年も半分が終わろうとしています。古希になり、生活の様子も笑っていられなくなり、家族に注意されることが多くなりました。いままでできていたことができなくなったり、物忘れがひどくなったり、やることなすこと失敗ばかりです。門徒さんにそのことを言うと、「古希ならまだ若いですよ」とか、「まだそんなことを言っているうちはましですよ、80を超えたらより深刻ですよ」と言われます。
 知人から「18歳」と「81歳」の違いを教えていただきました。とても面白く、考えさせられましたのでご紹介します。


✱道路を暴走するのが18歳、逆走するのが81歳
✱心がもろいのが18歳、骨がもろいのが81歳
✱偏差値が気になるのが18歳、血糖値が気になるのが81歳
✱受験戦争を戦っているのが18歳、アメリカと戦ったのが81歳
✱恋に溺れるのが18歳、風呂で溺れるのが81歳
✱まだ何も知らないのが18歳、もう何も覚えていないのが81歳
✱東京オリンピックに出たいと思うのが18歳、東京オリンピックまで生きていたいと思うのが81歳
✱自分探しの旅をしているのが18歳、出かけたまま分からなくなって、皆が探しているのが81歳
✱「嵐」というと松本潤を思い出すのが18歳、鞍馬天狗の「嵐寛寿郎」を思い出すのが81歳


 思い当たることもいくつかありますが、「若い時はよかった」「歳はとりたくない」と言うよりも、老いると言う身の事実を引き受け、皆に迷惑をかけ、支えられていくしかないこのわが身を認識し、「お世話になります」「ありがとう」「ごめんなさい」と言える私になりたいとつくづく思いました。


 さて、去る6月10日に、24組の同朋大会が開催されました。組内から住職・寺族・門徒等120名を超える人が、浄教寺様に集いました。午後1時30分から、24組合唱団「山河サンガ」の佛教讃歌の演奏がありました。25名の混声合唱のハーモニーを楽しんでいただきました。2時から山田組婦人会長の司会の下で進められ、真宗宗歌斉唱・美濃部組長からの挨拶があり、組教導の私から大会の趣旨について下記の通り説明しました。

平成29年度24組同朋大会趣旨文 

 24組では2年前の同朋大会で、「24組 むかし これから 今 ―ともに創る お寺の形―」をテーマに、これからのお寺のあり方を学びました。「お寺は何のためにあるのか」「私たちは真宗門徒になれているのか」という問いに対して、湖北地方の「土徳」を大切にし、地域社会が求めていることを門徒の人と共に「共創」していくことが必要であると確認しました。特に若い世代へのバトンタッチが重要との観点から、組では50歳までの若い世代を核として「プロジェクト24」を発足し、昨年度の最大の行事であった「同朋のつどい」を企画立案していただき、大きな成果を残してくださいました。また、本山主催の「元気なお寺づくり講座」の開講も有意義な研修となり、ここでは組内寺院の若さんに参加してもらいました。そうした流れの中で、本年度は本山から「推進員養成講座」の指定を受け、寺院の若さんなどがスタッフとなり、それぞれが主体的にかかわってくださる体制を作っていただきました。こうした取り組みが何故大事なのかを考えてみると、それは今お寺を取り巻く環境が、危機的状態と感じるからです。もちろん、過疎化の問題・少子高齢化は言うに及ばす、具体的には、お参りの減少、仏事の簡素化、寺院のお取り持ち、後継者の問題などいろいろ言われていますが、何よりも深刻なのは、地域や家庭に於いて良き真宗の宗風が無くなっていくと言うことです。
 現代は、半世紀余りのうちに、人間の知恵によって科学や医学なとが発達して、夢に見た 以上の遥かな豊かさや便利さを手に入れました。しかし反面、自然は破壊され異常気象を生み自然災害が多発し、また凶悪犯罪の増加、人間関係の崩壊の深刻さなどを通じて、人間の生き方が問われています。
政治も経済も、教育も地域社会や家庭の中に於いても、本来親鸞聖人の願われた、お互いが尊い存在として認め合い支え合っていく同朋精神が欠落し、人間のおごりの心が中心となった生活が露呈しています。自分勝手な思いや都合を絶対化し、それが正しいと信じて生きている生き方を見直していくためには、仏法聴聞がとても大切なことです。
 お念仏の聞こえる生活を、私たち先輩や先祖は「おかげさま」の心として、この湖北の地に根付かせてくださいました。そうした伝統を、お寺や、各家のお内仏において相続していかなければならないのが私たちの使命だと考えます。
 来年5月には、長浜・五村別院で親鸞聖人750回御遠忌が厳修されます。親鸞聖人は何を願われたのか。浄土真宗の教えはどういう教えなのか。そして私たち一人一人が本当に真宗門徒になれているのかを確かめる御遠忌でありたいと思います。御遠忌のお待ち受けの意味を持つ本日の大会を通じて、「私たちがこれから大事にしなければならないのは何か」を確認できればと思います。

 続いて講演がありました。講師は、前宗務総長の里雄康意氏 (大垣教区)で、「浄土真宗の教え」ー凡夫の仏道―をテーマとしてお話してくださいました。
 お寺や地域を取り巻く環境の変化にどのように対応していくのか。具体的な身近な例題をあげてお話してくださりとても有意義な大会になりました。門徒さんからの切実な質問もあり、課題を共有できたことが大変良かったと思っています。
 安居組門徒会長から、閉会の挨拶として講師に対して謝辞や今後の取り組みについての決意などが述べられ、その後恩徳讃を斉唱して散会となりました。
 息子が組広報委員のメンバーなので、大会の様子をビデオや写真に撮ってくれました。私のアップの顔写真が、気を遣ってくれたのか何枚もありました。すべて画面からはみ出ていました。当日参加者から、「秦さん、また太りました?」と声を掛けられたことを写真を見て思い出しました。写真は正直なので、弁解の余地がありません。[夏痩せ]と言う言葉もあるみたいなので、これから楽しみにしています。

2018年06月24日