老院のミニ法話 川柳シリーズ

 

 

ミニ法話
 
          ミニ法話―川柳シリーズ―

          胃カメラで 決して見えない 腹黒さ

 先日病院で胃カメラの検査を受けました。担当医から「異常なし」と告げられ安堵しましたが、もし「異常あり!腹黒いので手術が必要」と言われたらどうなんだろうかと思いました。
 「仏法は心のレントゲン」という言葉があります。病院のレントゲンや胃カメラでは心は写りませんが、仏様にかかれば誤魔化しがききません。
 私たちは、自分のことは自分がよく知っていると思っていますが、自分のことが一番わからないのは自分自身ではないでしょうか。自分を善人として正当化し、他人のことは「欲の深い人」「横着な人」「身勝手な人」などと言い、自分はそんな人間ではないと思って生きています。
 北陸地方に「夜明けしたがや」という言葉があります。これは「信心をいただきましたか」という意味だと教えていただきました。「夜が明ける」ということは「私の正体に気づきましたか」ということだそうです。我が身が明らかになるということです。
 「罪悪深重 煩悩熾盛の我が身」であったと気づかされる意味です。我が身が明らかになれば、新しい世界が開かれてくると教えられます。
 「鉄砲は外を向いて撃つが、仏法は内を向いて撃つ」という言葉を改めてかみしめたいものです。

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2022年01月18日